トキワのブログ

社屋のコト

省エネ大賞受賞 設計者のひとりごと①

この度、常盤工業本社事務所の「2024年度 省エネ大賞 省エネ事例部門 資源エネルギー庁長官賞(ZEBZEH分野)」受賞に際しましては、地域の皆様、関係各社様、社員の皆様のご支援により受賞ができましたこと、厚く御礼申し上げます。

応募を担当させて頂きました設計者中村より、受賞までのこぼれ話などを連載で少々お話しさせて頂きます。

 

この省エネ大賞は、省エネに関する賞としてはもっとも著名な賞で、家電製品などでご覧頂く事があるかもしれません。
応募前の休日、お蕎麦屋さんの机に置いてあった団扇をなにげなく手に取ると、省エネ大賞を受賞したエアコンとマークが記載されており、妻に「これ、会社で応募する賞だけど・・」と話をすると、「ふ~ん、よく見るマークだね~、すごいね~。」。他人事でした。

 

竣工後1年での応募も考えましたが、今回代表応募者として参画して頂きました株式会社日建設計様より、もう少し実績ができてからの方が良いとのことで、竣工後2年での応募となりました。

 

運用1年目のデータは建物で使ったエネルギーが太陽光発電で創られたエネルギーをわずかに下回り、差引で使ったエネルギーがゼロを下回る『ZEB』(Net Zero Energy Building)が達成できていました。
今だから言えますが、2年目、『ZEB』が達成できなかったどうしよう・・と、ひとりでプレッシャー感じていました。

 

1年目、太陽熱と地下水などの自然エネルギーを使った空調は、気象条件によって快適ではない日もありました。
梅雨時期には壁や家具にカビが生えたり、夏は時間帯によって暑くなったり寒くなったり、冬には「机の中のチョコレートが溶けた」とクレームをもらったり、色々ありました。
2年目は快適性を向上しながら『ZEB』を維持することが使命となり、日々、天気予報、消費電力モニターを見ながら空調コントロールパネルの前にいる時間が多かったです。

送水温度の設定や運転時間の設定を変えたり熱源を変更したり、試行錯誤し、ごくわずかに消費電力を減らしながらも、体感で快適性が向上した「心地いいZEB」になり、維持しています。

 

省エネ大賞は、1次審査から3次審査まで3回の審査があります。

 

1次審査の書類審査では、学術的なエネルギー分析から建物の運用、普及などについての説明資料を提出しました。
学術的な部分は日建設計さんに担当して頂き、運用、普及については自社で執筆を行いました。
運用面では、1年目に対して2年目に運用方法の変更、改善ができたことにより、自然エネルギーの効果と設備機器のエネルギー効率が明確になり、その分析がアピールポイントになりました。

 

また、地域の皆様にお越し頂いた実績は2年分になりましたので、単純計算で2倍になり、イベントを含む2年間の来場者実績は5000名程度になりました。 

社内の体制は、省エネ建築物を説明する設計部門、SDG's教育とイベントを担当する経営企画室の両輪にて、地域の皆様に継続してご愛顧頂いていることに感謝申し上げます。

続く②では、東京での2次審査のお話をさせて頂きます。

 

Written by 設計部 中村

 

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